ISBN:4101253358 文庫 梨木 香歩 新潮社 2004/02 ¥380

再度レビューに挑戦。というか、昨日この本で読書感想文書きました。
ホントにオススメです。短いお話で読みやすいので、ぜひ読んでみてください。
ネタバレかもしれませんが、あらすじを↓に書いてます。



この本の主人公は女子高生であるコウコ。優等生であり周囲からの信頼も厚いが、
重度のカフェイン中毒で、自らの保身を気にかけ、周りのニーズに応えようとしてしまう側面も持つ。
あまりに精神が疲弊していたため、祖母さわ子のトイレ当番を受け持つ代わりに熱帯魚を飼うことを許される。

熱帯魚の水槽を置いてから、夜中だけさわ子は急変する。
認知症で口もきかなかったさわ子が、突然少女のように話し始めたのだ。
さわ子はコウコのことを「コウちゃん」と呼び、二人は交流する。

ところがある日、熱帯魚の水槽に異変が起きる。
―なんでこんなむごいことに??水槽を眺めるさわ子に、
幼いころの切なく苦しい思い出がよみがえる。
天使のような人間でありたいと願っていたさわ子が、自分は醜い悪魔だと気づいた記憶。

その後、死んでしまった悪魔のようなエンゼルフィッシュを前に、さわ子は怒りを隠しきれない。
コウコは「こんな無理で不自然な環境を作ったのは私だ、だからエンゼルフィッシュは悪くない」と弁護する。
さわ子は自らとエンゼルフィッシュを重ね、また神とコウコを重ねてこう尋ねる。
「神様も悪魔に対して、そんな風にかわいそうだと思うことがあるのだろうか??」
もしそう言ってくれたらどれだけ気が楽だろう、と話す二人に、新しい風が吹き抜ける。



自分の人生は破綻してるな、とかもう面倒だな、とか色々考えるわけですが、
この本を読むとなんとも言えない感動を味わえました。
もし神が私たちに「無理で不自然な環境を作ってすまなかった」と言ってくれたら…
自分はきっと悪魔のような存在であるだろうけど、
それでも許されるのかな、なんて思ったりします。責任転嫁するつもりではないですが。

言葉には表せない気持ちです。もう3回は読みました。
ぜひ読んでみてください。

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